世界時計

2020-09-08

第44回、コロナの夏

  8月に一つぐらいは出そうとしていたのですが間に合いませんでした。簡単に書けるのを出しておきます。今回からは小見出しを付けます。

1、最近のベルリンについて

2、自分の側について

 

1、最近のベルリンについて

一言でまとめると、すっかりコロナ慣れしています。

EU圏内のロックダウンが7月中に解除されると発表されたときに個人的に予想していたことですが、やはり感染者数は増えました。それでもフランスなどに比べればまだいい方ということもあるのでしょう、私の見る限りのベルリンはすっかり緩んでいます。

ソーシャルディスタンスは相変わらず1.5m以上という基準ですが、実際には50cmぐらいの感覚になっています。例えばベルリンのスタバではベンチタイプの席のテーブル数を減らして1.5mにしていますが、そうすると座席数は全体として少なくなります。そしてそのテーブルの無いベンチに座ろうとしてくる人が結構多いのです。2週間前にそうやって私の横に割り込んできた人に注意したところ、「あなたが席を離せばいい」と言ってきました。でもその人の反対側にはその余裕がないのです。そこで、「そうしてもいいけれど、結局スタッフがあなたのところにやってくるでしょう」と言ったときに、ようやくあきらめて立ち去りました。(もちろんこの会話はドイツ語です。)

仕事の関係でドイツ人サイドとの打ち合わせをしたいのですが、ただ今夏のバカンス中で連絡が取れません。昨年までならば当たり前なのですが、今年も旅行に行っているのかと少し驚きました。

しかし明るい雰囲気とは言えません。個人的には、私のよく通うショッピングモールがどんどん縮小しているのが気がかりでなりません。2階へのエスカレーターが3基あったのに2基つぶして1基になり、そして店舗も減っています。昨年の夏ぐらいにオープンしたばかりなのに1年待たずにパンデミック到来というのは見ていて辛いです。

総じて、本物の活気は無いが恐怖は消えているという印象です。ドイツ政府は改めてソーシャルディスタンスの徹底を呼び掛けていますが、そもそも今ベルリンには他のEU諸国からの旅行者も滞在中であり、気を引き締めるという雰囲気ではないです。

 

2、自分の側について

2月ぐらいに実はかなり太り、それからジョギングなどを開始し、結局その最大成長期から8kgぐらい落とせました。今でも週に2回は4kmぐらい走っています。スマートウォッチは私には実に効果がありました。時計を見る度にその日のカロリー消費や歩数が目に入るのは実にいいです。いわゆる「可視化」のツールとしては最適です。

これを何とか他のことに応用できないかと考えましたが、とりあえずは付属ソフトのポモドーロタイマーを使うところで止まっています。これは知らない方が多いかもしれませんが、例えば25分経過時と5分経過時にアラームが鳴り、その都度ごとに作業と休憩を繰り返すというものです。「可視化」というよりもメリハリの「意識化」と言うべきでしょう。

ビジネスの話に移ると、旅行業という面ではやはり厳しいですね。私については最近はリモート通訳の案件が来始めています。Airbnbさんによるオンラインビジネスの記事を見つけましたが、旅行業の立場で「直接現地に行かなくてもオーケー」と打ち出すのは実に際どいところです。この業界に特に興味のない人であれば、直接体験とオンライン体験とを組み合わせればいいだけだという至極もっともな考えにすんなりと落ち着くでしょう。しかし、そもそも旅行業というのは直接体験の素晴らしさをひたすら強調することによって成り立ってきたようなものです。ビジネスの根本の部分での再検討が問われています。こうなると新興企業の方が動きが早いでしょう。もっとも、一度方針が決まると組織の力で一気に巻き返すというのが日本の大手企業一般の特徴とも言えるでしょう。多分これから1年ぐらいの間に転換点が来るだろうと予想しています。フリーランスというのはこうして常に数年先を読まないと生きていけない稼業なのであります。

後は、第43回のときにも触れた「無から無への運動」について考え続けるという毎日です。5月ぐらいからは新しい日常にも慣れ始め、こういう非生産的な仕事にはかえって都合がいいです。とは言え予想以上に時間がかかり、ブログが途切れがちになる要因にもなっています。

 

町から本物の恐怖感と本物の活気のそれぞれが消えて、それが日常生活にも反映しているといった感じでしょうか。活気が有っても無くても無は有るので、取りあえずはこれでいいのです。