世界時計

2020-04-20

第38回、膝痛に効いたフォームローラー

 こういう話は、知っている人は知っている、知らない人は知らないという具合にはっきり二組に分かれるでしょう。とりあえず書いてみます。(私は素人なので、実際に試す場合には自己責任でお願いします。)

ジョギングを始めてからは、2メートルのソーシャルディスタンスは当然として、筋肉痛にならないようにという気配りも怠りませんでした。その甲斐あって特に問題なく続けていましたが、徐々に左の膝頭が痛むようになりました。日数を減らしてもよくならず、普通に歩く際にも鈍い痛みが出るようになりました。
真剣に悩むようになったころ、ハーフマラソンの大会に頻繁に参加しているというカナダ人と話す機会がありました。この人に症状を話すと、Foam Roller(または筋膜ローラー)を教えてくれました。早速ドイツでの売れ筋の商品を検索し、Amazonでそれを探して注文しました。先週の火曜日に届きました。(配達の人がピンポンと鳴らしてドアを開けると、2メートル以上離れたところにいるその人が、私が受け取ったことを確認して帰っていきます。)
便利な世の中になったもので、YouTubeで検索するとちゃんと動画が出てきます。たまたま見つけた動画は日本人のヨガのトレーナーが配信しているものでした。この方のおっしゃる通りにやると、最初はかなり痛かったです。しかし三日連続で続けると歩く際の痛みがほぼ完全に消え、そして昨日の日曜日のジョギングの際にも痛みはほとんど出ませんでした。

まあこの時点で目的は達成したのですが、既に二日目ぐらいから全身のマッサージまでするようになりました。そしてヨガなどのためのマットをさらに購入し、複数のYouTubeの動画を組み合わせ、毎日30分やるようになりました。各動画で「やりすぎに注意」と出ているので一応気を付けていますが、今のところは問題ないです。

この商品、一体どのぐらい前から出ているのでしょうかね。もっと早く知りたかったです。筋肉痛とは異なる痛みに対しては休養ぐらいしか思いつかず、そしてそれでは回復しませんでした。なぜ痛みが消えるのかの医学的根拠はさっぱりわかりませんが、結果として成果が出ました。
私は昔から緊張状態が数日続くと背中の中央のあたりがガチガチになり、ひどいときには呼吸までしにくくなります。これを解消する方法としては、真向法(まっこうほう)の一つにある、正座に似た姿勢から後ろに寝るというものが有効でした。しかしこのローラーで背中をグリグリやる方が、ピンポイントで肝心な部分を刺激できます。
全身をこれでマッサージすると、頭の血管に一気に血が流れます。これも気に入っています。
以前にも書いたようにfitbitのスマートウォッチを使っています。私の場合は30分これで運動すると約120キロカロリーの脂肪燃焼の運動として計測されます。やってみればお分かりいただけるでしょうが、結構腹筋を使うのです。確かにダイエットに効果があるかもしれません。

大体こういう利点があります。あくまでも「やりすぎに注意」ではありますが、本当に気に入りました。まだご存じない方で、急にフィットネス的なものを始めて色々痛みが出た場合、やってみてもいいのではないでしょうか。(但し私の場合の膝痛はジョギング前にはなかったものです。運動をしていないのに痛む方は、お医者さんに聞いてからの方がよさそうです。私は素人なのでそこまでの責任は全く取れません。)

2020-04-17

第37回、中国から離れつつあるドイツ

何度かポツダム会談以後の世界についての文章をブログに出していますが、今回のパンデミックにより、決定的な進展があったという印象です。できるだけ簡単にまとめようとしたものの、結局長くなりました。私の場合は歴史が専門という訳ではありませんが、ポツダム会談が開催されたツェツィリエンホーフ宮殿でのガイド・ライセンスを持っているため、この問題には特別な関心があります。

 昨年はアメリカと中国の貿易戦争がありました。アメリカと肩を並べるほどに中国が経済的に成長できた要因とは、日本とドイツそれぞれとの密接な経済的関係にあったと理解しています。国際政治の面、特に国連に関して言えば、中国の強みはアフリカ諸国との関係にあります。 
 そして2020年となりました。131日にブレグジットが完了し、イギリスがEUから抜けました。そしてその前ぐらいから新型コロナウイルスの深刻さが喧伝されるようになりました。
 こういう背景のもとに、日本とドイツは中国とどのような関係を取るのだろうかと眺めてきました。また、ポツダム会談のときには日本に属していた朝鮮半島がどうなるのかについても関心を持ってきました。日本とドイツと韓国は、それぞれ軍事的にはアメリカと同盟関係にあり、経済的には中国との関係を強めてきました。この絡み合いがどうなるのかというのが私の問題意識です。

  日本については、47日に「生産拠点の国内回帰を後押し」する緊急経済対策についての報道がNHKから出ています(脚注1)。サプライチェーンの脆弱性に対処するため、政府は「中国など特定の国に生産が一極集中している製品や部品について、生産拠点を国内に回帰させたり東南アジアに移転させたりする企業の費用を補助する方針です。」端的に言えば、これは一つの中国離れといっていいのではないかと受け取りました。
 そして昨日の416日の水曜日に、安倍総理が現状を第三次世界大戦と見なしているという報道が流れました。(「コロナ禍は第3次大戦」、脚注2
 平時ならば中国ビジネス重視の姿勢が続くでしょうが、戦時ならば日米同盟重視になるはずです。これで日本の方針の大枠が定まったと考えています。

  次はドイツについてです。ドイツの公共放送局であるARDで午後8時から始まるターゲスシャウ(Tagesschau、デイリーニュースぐらいの意味)というニュースは、多分知名度的にはドイツで一番でしょう。ここのアーカイブを探していたら、二つ面白い記事が活字で見つかりました。個人的には、大体ドイツのメディアというのは、中国を批判せず、ほとんどそのまま中国の発表をドイツ語に直しただけの報道をすることが多いという印象を持っています。これがリアルタイムでくつがえりつつあります。
 324日付けの「超大国のコロナ・プロパガンダ」(脚注3)という記事は、トランプ大統領が「chinese Virus」と表現したのに対して中国側が反発した件を扱っています。今回の記事には中国もプロバガンダ戦をしているとあり、「中国は批判に対して極度に敏感に反応する」という小見出しまでついています。いつにも似ず、アメリカ側に若干寄り添いました。
 331日付けの「中国からの数字への疑念」(脚注4)ではさらに踏み込んで中国を批判しています。冒頭にはこうあります。「ここ数日中国は非常に低い新規コロナ感染者数を報告している。しかしこれは疑ってしかるべきである。多くの中国人は嘲笑や皮肉でもって反応し、政府の批評家は嘘の可能性について語っている。」その後に続く文では、中国当局の発表には信ぴょう性がなく大気汚染についても嘘をついていると畳みかけています。
 次は413日付けのフランスのAFP通信による日本語での報道です。「中国、ドイツにコロナ対策称賛求める? 独報道」(脚注5)という見出しがついています。「ドイツの主要日刊紙ウェルト(Die Welt)は12日、中国の当局者らが政府の新型コロナウイルス流行対策について肯定的な発言を得ようと、独政府関係者らに働き掛けを試みていたと伝えた。ただ中国側は翌13日、この報道を否定した。」このようにフランス最大のAFP通信が中国とドイツ紙の間のスキャンダルを取り上げた訳ですが、中国に対してフランスとドイツがタッグを組むような図式が見えます。

 そして昨日の16日、そのウェルト紙が突っ込んだ記事を出しました。「決定的な6日間において中国は致命的な反応をした」(脚注6)という見出しです。少し抜粋してみます。指導層は114日の段階でパンデミックの可能性を認識していたにもかかわらず、習近平国家主席が国民に警告したのは20日だった。そして武漢では何万人もの人々の宴会が行われ、数百万人が中国の旧正月のお祝いで移動していた。この内容は日本語の記事ではよく見かけるものですが、このタイミングでウェルト紙がこれを出すということに明確なメッセージが示されていると思います。
 もっともドイツの企業が中国に対してかなりの直接投資をしているという事実がある訳ですが、そもそも中国での操業が困難になったらその意味も半減するのではないでしょうか。そうしたらもう、失うものは無いのではないかと推測しています。

  日独に加えて韓国でも動きがあり、北朝鮮に近いとされる文在寅大統領側が選挙において圧倒的勝利を収めました。

  という訳で、日本とドイツは中国から離れ始め、韓国はこれからさらに中国に接近していく雰囲気です。

  こうなると中国の味方は韓国、北朝鮮さらにロシアということになるのかもしれませんが、アフリカについては412日のターゲスシャウの冒頭のニュースが「アフリカでのコロナウイルスの蔓延」(脚注7)でした。いくら中国からの金銭的支援があっても、中国発のウイルスでパンデミックになった時に、果たして中国がアフリカ諸国を引き留め続けられるのでしょうか。

  ポツダム会談から世界を見るということをしてきましたが、その会談をきっかけにして成立した体制が崩壊するというのは何となく予想していました。しかし場合によっては国連がつぶれるところまで進むのだろうかというのが新しい問題意識となりました。 
(2020年4月17日)

脚注1ttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012371511000.html
脚注2:ttps://www.jiji.com/jc/articlek=2020041600829&g=pol
脚注3、但しドイツ語:ttps://www.tagesschau.de/ausland/corona-usa-china-101.html
脚注4、但しドイツ語:ttps://corona-zuschuss.ibb.de/_layouts/15/ibb.sharepoint.corona/pages/landingPage.aspx?qite=03
脚注5ttps://www.afpbb.com/articles/-/3278423
脚注6、但しドイツ語:ttps://www.welt.de/politik/ausland/article207290889/Corona-Interne-Dokumente-zeigen-wie-China-im-Schluesselmoment-versagte.html
脚注7、但しドイツ語で、音声が出るので注意してください:https://corona-zuschuss.ibb.de/_layouts/15/ibb.sharepoint.corona/pages/landingPage.aspx?qite=03