世界時計

2016-01-13

第27回、2016年の目標

 昨年に続きまたもや遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
  
 昨年は数多くのアクシデントに見舞われたが、暮れにはしつこい風邪をひき、今年最初の外出は1月4日に病院に出かけたときだった。最近になってようやく復活の兆しが出てきた。
 前回の更新は11月2日であり、二ヵ月空いてしまった。書こうと思っていたことが幾つかあったのだが別の機会にする。昨年の目標の反省と今年の目標について取り上げる。
  
 去年は二つの目標を立てた。「八十点を取り続ける」と、「ベルリンで八百万(やおよろず)の神々を探す」だった。 
 一つ目については、アクシデントが多発してすっかり狂った。でも実際は、そういう想定を全くしていなかったことが敗因だろう。各方面にもご迷惑をおかけしてしまった。この反省を踏まえながら、もう一度この目標を立てる。
 二つ目の方だが、神道に関する入門書の類を数冊読んだものの、あまりピンと来なかった。差し当たりは、最近手に入れたお稲荷さんのお守りを大事にすることに専念する。特筆すべき結果こそ無かったものの、現状においてできることは八割ぐらいはやり遂げた。一先ず達成できたと見なす。 
 この代わりに、「人から感謝されたことを忘れないようにする」という目標を立てる。

 昨年の冬に個人旅行のお客様のヘルプについたのだが、空港でミートした時点でどうも見覚えがある気がした。ホテルに向かうタクシーの中でそのことを話すと、春先にも全く同じ形で担当していたことが判明した。 
 ホテルに到着しチェックインのお手伝いなどの業務が一通り終了した後に、少しお話した。ベルリンでの電車やバスの切符の買い方はベルリン初心者には難しいので、お客様によっては事細かく説明するようにしている。このお客様には、春先に私からあのような説明があったのでもう一度ベルリンに来る気になったと言っていただいた。これはもちろん私の方としても大変嬉しかった。 
 だが、この話はここで終わらなかった。私はそのお褒めの言葉をどちらかというと素通りしようとした。ところが、まさにそのことをこの方から指摘されてしまった。
 そもそもこういうケースはまったく予期していなかったため、うまい受け止め方が思いつかなかったという面はある。内心は喜んでいてもそれをどう表現するべきかが瞬間的にはわからなかった。 
 しかしこれにはいわゆる職業病的な面もある。ガイドとしてまたは通訳としてお供をする場合、お客様から感謝されるのが当たり前のようなところがある。商談や視察のようなケースではノーミスだけを要求されることもある。したがって、加点法ではなく減点法で考える癖が自然とついてくる。褒められたことは忘れていいので、ミスがあったかどうかに注意しようと考えがちになる。とは言え、相手から感謝していただいたときに、それをないがしろにするような行為は間違いだと気づかされた。 
 また仕事の話を抜きにしても、「感謝すること」の重要性は考えても、「感謝されたこと」を大事にするという発想はこれまで特別意識してこなかった。これは盲点だった。
 ということで、「人から感謝されたことを忘れないようにする」というのを今年の二つ目の目標とする。